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映画レビュー

【Amazonビデオレビュー】映画『変態島』に変態は居なかった

amazonの映画見放題サービス、amazonプライム・ビデオって、なかなか面白いタイトルが並んでます。

んで、その中で一際面白いタイトルの映画を見つけました。

その名も『変態島』。

この、『変態』というキーワードのインパクトにつられてみたのですが、どうやら典型的なB級ホラー映画の模様。

とりあえずまぁ、一度見てみればいいかと思い視聴しました。

しかし、私の考えていた『変態』らしい『変態』は全くいないというか、全体的に登場人物が不気味で、正直な気持ち、タイトルに釣られたなあと思わずにいられませんでした。

※映画の内容が気になる方は、一部ネタバレが含まれますので、いい感じでスルーしてください。

映画「変態島」について

まず簡単に説明すると、映画「変態島」は、2009年にアメリカで上映を開始されたB級ホラー映画です。

濡れ場もあり、残虐なシーンもありましたので、当然年齢制限ありです。

ちなみに、日本のドラマ等にも出ている女優さんもいらっしゃったみたいですが、この映画、どうやら日本では未上映のままで終わっている模様。

ですので、今回のAmazonプライム・ビデオがなければ、私もおそらくこの映画のことを知ることもなかったでしょう。

簡単なあらすじ(※以下、ネタバレ注意)

かつて、ジョシュアという子供を津波でなくしたポールとジャンヌ(エマニュエル・ベアール)夫婦が、テレビでとある映像を見たことをきっかけに、ミャンマーを訪れます。

そう、その映像から、ミャンマーにジョシュアがいるのではないかとつきとめ、現地の売春斡旋・人身売買業者で市村○親似のタクシンという男を通じて、ジョシュアを探そうとミャンマーのとある島を訪れます…。

島に到着後、不思議な現象が発生したり、漫画『ドラゴンヘッド』に出てくるような白化粧をした子どもたちが現れたりしていくうちに、子どもたちの中に息子がいると妻のジャンヌが発狂し始めたり、子どもたちが無邪気に笑いながらタクシンを○き埋めにしたりと、視聴者をパニックにさせる要素が満載の映画です。

変態というよりは純粋に不気味で怖い典型的なB級ホラー映画

ポール夫妻にとってみれば、自分たちと国籍も文化も異なる子どもたちという異質さが、この映画の怖さを引き立てています。

スプラッター的なホラーよりも、オカルトチックなホラー要素ですかね。

そんな子どもたちも、貧しいがゆえに人身売買の被害にあった背景があることを考えると、それ設定自体が結構キツい要素でもあったりしますので、社会背景的な意味でも、見てて暗くなるような作品です。

ただ、「変態」らしき「変態」はいないです。

私には、とにかくそれがやるせなかったですね。『変態』というキーワードにつられてしまった身としては。。。

かつて制作された映画「変態村」をご存知だろうか

ところで、実はこの「変態島」が制作される前に、「変態村」という映画が「変態島」と同一の制作チームによって作られていたのです。

「変態島」の内容については、wikipediaはもちろん、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者である荒木飛呂彦先生の著書『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』(集英社文庫)にも僅かではありますが言及されています。

この「変態村」の方は、内容的に変態要素があるのは間違い無さそうですね…。

「変態島」は典型的なタイトル詐欺

「変態島」という、非常にシンプルなサブタイトル。

マーケティング的にはなかなか人を惹きつけるのに優れたタイトルだと思います。

なんかこれだけでものすごい訴求力があるというか、消費者側に

「なっ、これは一体何なんだ…!?」

という感じで、消費者の想像力を掻き立てるような良いフレーズです。

しかし、実際に映画の内容を見た限りでは、正直タイトル詐欺と言われて仕方がないでしょ、と言わざるを得ません。

なぜなら、純粋な「変態」要素を期待した私にとってみれば、タイトルに釣られたとしか思えなかったからです(もちろん私もキチンとリサーチしなきゃいけないけど)。

まぁ、純粋に不気味なホラー映画を期待している人にとっては、適度に後味の悪さを堪能できるので、B級ホラー映画が好きな人にはおすすめですが、やはりそうなると「変態島」というタイトルはやっぱ不適切だなぁと思わざるを得ません。

なぜ「変態島」というタイトルなのか

実際、この「変態島」の原題は「Vinyan」といいます。

こちらはタイ語で「成仏できない魂、幽霊」を意味しています。日本語で言うところの「地縛霊」的なものでしょうか。

…どう考えても、地縛霊と変態は関係ないですよねぇ。

そこにいる地縛霊が、元々はハードなSMでMの側だったとかなら、まぁ苦し紛れでも分かるかなと思うのですが。。。

ただ、原題を見てこの映画を視聴するなら多分問題無いでしょうが、邦題の「変態島」では、呼んでくる客層が変わってしまいます。

私みたいな、邪な人間が釣れてしまいますよ。

でも、いい感じのタイトルネーミングって難しいよね?

一言で言えば、タイトルと内容が一致してないよねっていう映画です。

タイトル詐欺です。

ただこの映画は、コンテンツにマッチしたタイトルネーミングがいかに難しいかを象徴している気もします。

自分がこの映画になんてタイトルをつけるかと言われば、…あまり思いつかないですし。

せいぜい、「悪霊島」とかそれぐらいしか…。

ただ、タイトルと内容が一致してないという問題は、ブログを書く立場の人間、企業のWeb担当者や広告・コピーライティングに関わる人でも、結構平気でやらかしている人、多いんじゃないでしょうかね。

この映画を通じて、自分も気をつけよーっと思いました。

みなさん、タイトル詐欺師にならないように気をつけてくださいね…!

人を混乱させるような広告、配信しないように気をつけてくださいね…!!

変態島を視聴するなら

さて、肝心の『変態島』ですが、私はAmazonビデオで視聴しました。

しかし、こちらのタイトル、2018年1月時点では、Amazonプライムビデオのラインナップには含まれていないので、見放題ではありません。

視聴する場合はレンタルで400円〜必要になります。

ですので、気軽に見たいなら、動画視聴サービスのNetflixでも視聴がおすすめです。

あと言い忘れてましたが、変態島の内容それ自体は賛否両論でしょうが、序盤のジャンヌ(エマニュエル・ベアール)が水着でシャワーを浴びるシーンは、全男子必見です!!

エマニュエル・ベアール目的で見るのもありかもしれない…!!

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